アップル1Q決算からの懸念と期待
1月28日米国市場引け後に全世界注目の米アップル第一四半期(10-12月)決算発表がありました。
アップル1Q全体結果
【1Q売上高】
予想885億ドル(前年同期843億ドル)
→結果 〇918億ドル(前年同期比8.9%増)
【1Q一株利益(EPS)】
予想4.55ドル(前年同期4.18ドル)
→結果 〇4.99ドル(前年同期比11.2%増)
【2Q売上高ガイダンス】
予想624億ドル(前年同期580億ドル)
→ 〇630~670億ドル(前年同期比8.6~15.5%増)
【1Q粗利益率】
予想38.06%→結果38.35%
《まとめ》
売上高・EPS・ガイダンスの数字が全てアナリスト予想を上回り、売上高とEPSにおいて史上最高を更新するという文句なしの好決算でした。
ガイダンスについては新型コロナウイルスによる影響が不確実なため通常よりも広範なレンジを適用しているとのことです。
アップル1Q部門別結果
【iPhone部門売上高】
予想516億ドル(前年同期520億ドル)
→ 〇559.6億ドル(前年同期比7.6%増)
「iPhone11」及び「iPhone11Pro」が販売を牽引して約1年振りにiPhone販売が増加しました。
【周辺機器部門売上高】
予想95億ドル(前年同期73億ドル)
→ 〇100億ドル(前年同期比37%増)
ワイヤレスイヤホン「AirPods」や腕時計型端末「AppleWatchシリーズ」について需要に対し生産が追いついていなかった状態で、非常に順調です。
【サービス部門売上高】
予想130億ドル(前年同期109億ドル)
→ △127億ドル(前年同期比17%増)
最も注目度の高いサービス部門については前年比17%増と伸びるもアナリスト予想には届きませんでした。
今回の懸念と今後への期待
今回の決算数字は全体としては申し分ないように思えますが、最も伸びて欲しいサービス部門の数字が予想に届かなかった点が懸念されるところです。
現時点のアップルは相変わらずiPhone売上の比重が高く、今回はたまたまiPhone11シリーズが好評で、短期的には春からの廉価版販売や今後の5G対応機に対する期待は高いですが、長期で考えた場合安定した売上が見込めるサービス部門のサブスクリプション売上が非常に重要となります。
クックCEOは今回のサービス部門の未達をフォローするかのように、iOS機器等のアップルデバイスの最新稼働台数が15億個を超えたことを発表するとともにAppleTV+の加入者数が満足いく状態で進んでいると話しました。
現在のAppleTV+は1年間無料期間中のユーザーも多く、音楽やゲームなどを含め有料ユーザーとして継続利用するためには魅力あるコンテンツを早期に充実していくことが重要です。
同社幹部によると2020年末までに音楽・TV・ゲーム等のサービスの有料ユーザー6億人を目標としているということです。
もし実現すれば、1人あたり月5ドルとしても毎月30億ドル、年間360億ドルの売上が安定して見込め、粗利益率が大幅向上するとともにiPhone頼りの構造から完全脱却できるはずなので、今年はアップルにとってかなり勝負の年になりそうです。
マイクロソフト同様に圧倒的な既存ユーザーという有利な土台を基にしたサブスクリプション化なので実現の可能性は十分あります。
いずれにしても株主としてはアップルを信じて見守っていきたいと思います。
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